61頁目 「ノスタルジー」より

 

 

 

はやく、殺してください。

 

はやく、消してください。

 

はやく、忘れてください。

 

はやく、勘当してください。

 

はやく、クビにしてください。

 

はやく、はやく、はやく。

 

 

嫌な事があれば 私を殺してください。

 

必要なければ 私を捨ててください。

 

どうか、どうか、お願いします。

 

きっと報われる日なんて来ないですから。

 

きっと後悔ばかり続きますから。

 

きっと失敗を何度も繰り返しますから。

 

きっと満足のいくハッピーエンドなんて夢物語ですから。

 

きっと、私が望むものは、手に入れない。

 

きっと、私はフィクションみたいな幸せも不幸もない。

 

胸を張っていられる理由なんて、ない。

 

意味なんて無いです。虚無ばかりです。

 

ずっと、閉じこもりたいです。

 

気を許せる相手なんて見つからないです。

 

いつも嘘ばかりです。

 

嘘付きなんです。

 

殺して。

 

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死のう。死のう。死にたい。言葉。言葉にすれば、過去になる。ストレスが、還元される。消える。感情一つでもはじまりと終わりがあった。脳が、処理してくれてる。最悪だ。死にたい。この体は、どうしようもなく自分だ。一線を超えられない。枠にはまったまま。死ねなかった。体に、苦痛がはしったから。理性が現実を見たから。心で願っても、ダメだ。体。そう体。臆病故に、防衛本能。死にたい。寄り道などせずに真っ先に死にたい。頑張ったんだ。蝉より長く生きた。金魚より長く生きた。犬猫より長く生きた。

 

趣味に満足した。物語に満足した。お金に満足した。学をしった。やっただろう。もう、良いだろう。特別な存在なんて人ではなかった。人なんてどうせ死ぬ。私も死ぬ。もう、良いだろう。何も、無かったのだから。憧れなんて、言葉に出来る程のものじゃないんだから。言葉なんて結局は、枯れて聞こえなくなるんだから。

 

 

いいだろう。

 

 

安らかな眠りについたって。

 

何も食べなくたって。何も見なくたって。何も、ありはしないんだから。のこされたモノを慈しんでも。

 

なにも、変われないのに。